すぐれたインタビュアーであるための10カ条とは?

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本日は「フィールドワークの理論と実践」という講義を受けました。毎週火曜にやっていて、参与観察やエスノグラフィーについての理解が深まる内容です。今日は、インタビューに関する回で、「すぐれたインタビュアーであるための条件」について、『質的研究のための「インター・ビュー」 (SAGE質的研究キット)』(新曜社、2016年)を引用しながら議論しました。これによると、すぐれたインタビュアーであるための条件は10個あるそうなので、以下にまとめてみます。

目次

幅広い知識


 インタビューのテーマについて幅広い知識を持ち、そのトピックについて詳細な会話を行うことができる。また、そうした知識をひけらかすことなく、語られたことのどの部分が掘り下げるに値するかを感じ分けられる。

構成力


 まず、インタビューの目的を伝え、経過の中で手続きの概略を述べる。最後に、会話を通して学んだことを要約したり質問がないかどうかインタビュイーに尋ねたりするなどしてインタビューを終える。

明瞭さ


 明瞭かつシンプルで、易しく簡潔な質問をする。はっきりとわかりやすく話し、学術的な言い回しや専門的すぎる用語を使わない。例外は捨てレス・インタビューであり、この場合、ストレスに対する対象者の反応が回答に現れるように、質問は複雑で曖昧なものになるだろう。

礼儀正しさ


 対象者が良い対いことを最後まで言うことを許容し、自分自身のスピードで考え、話せるように配慮する。おおらかな態度で接する。沈黙を許し、奇抜で挑発的な意見を述べたり、感情的な問題を扱ったりしてもかまわないと伝える。

感受性の高さ


 話の内容に耳を傾け、回答に含まれるニュアンスを聞き取り、そのニュアンスをいっそう完全に述べてもらうよう努める。話に込められた感情的なメッセージに共感しながら、耳を傾けるが何が言われたかだけではなくどう言われたかにも注意を払い、何が言われていないかにも気が付く。また、話題があまりに感情を刺激するもので、深追いしない方が良い時はそれを感じ取る。

開かれた態度


 インタビューのトピックの中で、インタビュイーにとってどの面が重要か聞き分けられる。満遍なく漂う注意をもって傾聴し、インタビュイーが話始める新たな側面に対しても開かれており、そうした側面を掘り下げていくことができる。

舵取りの力


 自分が何を見出そうとしているかに意識的である。つまり、インタビューの目的ーー何についての知識を得ることが大事なのかーーを熟知している。インタビューの経過をコントロールでき、インタビュイーの話がそれた場合には、それを遮ることをためらわない。

批判力


 言われたことを額面通りに受け取らず、インタビュイーの語りの信頼性・妥当性を検証するたえに批判的な問いを投げかける。そうした批判的な確認作業は、インタビュイーの発言の論理的一貫性だけではなく、その発言に関して観察できる根拠にも向けられる。

記憶力


 インタビューが行慣れている間対象者が言ったことを覚えており、そこまでの内容を想起したりそれを精緻化させたりするために質問することができる。さらに、インタビューのさまざまな部分が言われたことを互いに関連付けることもできる。

解釈力


 インタビュー全体を十s手、インタビュイーの発言の意味を明確化し拡張するよう努める。また、その発話についての解釈を提示し、インタビュイーに確認または否定してもらう。